響灘ビオトープだより vol.43
この度の熊本地震により被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
◆ベッコウトンボ、初認!!◆
響灘ビオトープのシンボル種の1つに数えることのできる、
ベッコウトンボの発生を4月6日(水)に確認しました!!
☆~おさらい~☆
・ベッコウトンボとは...
環境省絶滅危惧ⅠA類※1及び国内希少野生動植物種※2に指定されており、
安定した生息地は日本に5カ所ほどしか確認されていない希少種です。
※1)環境省絶滅危惧ⅠA類 環境省版レッドリストにおいて、
ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い生物種
※2)国内希少野生動植物種 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
(種の保存法)により、国内の生息・生育状況が、人為の影響により存続に支障を
来す事情が生じていると判断される種
今年は4月6日(水)の午前
ベッコウトンボが響灘ビオトープ内で羽化しているのが初認されました。
響灘ビオトープでは4~5月にベッコウトンボの発生ピークを迎えます。
日本での主な生息地は5か所しかなく、
なかでも響灘ビオトープは日本で一番個体数が多いとも言われているのです
☆ヾ(*゚Д゚*)
毎年行うのが、ベッコウトンボ頭数調査!
昨年4月18日に行った調査では、過去最多、日本最多の
1393頭でした!!
(トンボ学会では「匹数」ではなく「頭数」で数えます♪)
響灘ビオトープでは毎年数を増やし続けているだけに、
今年の調査にも期待がかかります☆
日本トンボ学会の新海氏から調査方法とトンボについてのお話を伺い、
いざ調査へ!!
出ました!今年の第1回目の調査頭数は......!
175頭!!
ちょっと少ない!?
と感じるかもしれませんが、昨年は発生時期が早かったこともあって
調査時の数がとても多かったんですね。
今年は昨年よりも1週間ほど発生が遅く、
気温もトンボの発生条件より下回っているために
発生のピークがやや遅れているようですね♪
4月23(土)には一般の参加者の方と一緒に第2回目の調査を行い、
414頭のベッコウトンボを確認☆
5月5日(木・祝)には3回目の頭数調査が行われますので、
どれだけ発生数が増えているか期待したいところです!☆☆
3回目の調査も一般の方のご参加大歓迎です。
是非頭数調査に参加して、絶滅危惧種の生息状況をその目で確認してみてください!!
お申し込みは、北九州市響灘ビオトープ ☎093-751-2023 にご連絡ください♪
◆──チーフガイド岩本光徳の☆野鳥講座(o´∀`o)──◆
珍鳥渡来 ☆ヤツガシラ☆
稀に立ち寄る旅鳥で、平成12年より観察している中で4度目の出会いです。
この4月には2度渡来しました。
☆ギンムクドリ☆
この鳥も稀に立ち寄る旅鳥で、2度目の確認です。
☆アオバト☆
近隣の山で稀に見ることができます。
今年はどうしたことか数が多い様子で、いろいろな所から情報がありました。
響灘ビオトープの園内にも渡来。響灘ビオトープでは初認です!
そのほかにも、
前号でお伝えした「ヒバリ」や、
☆オオヨシキリ☆
などはこれから季節、響灘ビオトープで鳴き声が聞こえない日はないほど
一日中大合唱を聞かせてくれます。
そして、5月に渡来が期待される国際希少種の...
☆コアジサシ☆
このコアジサシが繁殖を行うのが砂礫地(砂浜や小石の河原)です。
響灘ビオトープでは、この砂礫地を整備し
コアジサシが渡来、繁殖しやすい環境づくりをしています。
いろいろな鳥との出会いを求めて
響灘ビオトープに是非!足をお運びください♪
◆2年目のデコイづくり◆
昨年は2月に開催した「コアジサシのデコイ作り」イベント。
今年は渡来、繁殖の時期に合わせて
4月9日(土)と4月10日(日)の2回開催しました☆
昨年のビオトープ便りでも詳しくお伝えしましたが、
コアジサシは環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類、
種の保存法では国際希少野生動植物種に指定されている希少種です。
4月~5月に繁殖地を求めて響灘ビオトープ付近に飛来します。
「デコイ」というのは
カモ猟などでおとりとして使われる実物大の鳥の模型のこと。
ただし、もちろん響灘ビオトープでは
狩猟の目的でデコイを設置するわけではありません♪
響灘ビオトープが人工的に整備している砂礫地(されきち)にデコイを設置し、
飛来したコアジサシに
「仲間がたくさんいる!」
「ここは安全なんだ!」
と思ってもらい、繁殖活動を促すために設置するものです♪
昨年のイベントで作成していただいたデコイを
砂礫地に設置し、様子を見守ったところ...
なんと!デコイをめがけてコアジサシが飛来!!
しかもデコイに対して求愛行動まで☆(●´艸`)ヾ
上の写真をオス目線で解説すると以下のようになります。
オス:デコイ(メスに見えてる)にサカナをくわえてプレゼント。
↓
デコイ:無視。(デコイだから...)
↓
オス:トボトボと撤退。
上の写真は、オスのコアジサシが背中で泣いている
大変切ない様子なのです(泣)
この失恋との因果関係は不明ですが
昨年、響灘ビオトープ内での繁殖は確認することができませんでした。
ですが、繁殖までは至らずとも
デコイを設置した効果は十分に確認できました!
さて、今年のデコイ作りの様子です。
作り方のレクチャーの後はコアジサシについて少し学習♪
皆さん、絶滅危惧種を守る意義をご理解くださり和やかに作業開始☆
形成と色塗りで、あっという間にデコイが仕上がっていきます!!
今年作成したデコイは近日中に
スタッフと、ボランティアの皆さんで砂礫地に設置する予定です☆
作成や設置をお手伝いいただいた皆様、
ありがとうございました!!
みんなの気持ちが通じて、コアジサシがたくさんやってきますように!!
◆今後のイベント◆
ベッコウトンボ祭りチラシはこちら⇒第2回ベッコウトンボ祭り.pdf
5月~6月は、さらにイベント盛りだくさんでお待ちしています!!
是非遊びに来てくださいね!!

